EMPRESS VALLEYのデビュー作．この、オフィシャルを一蹴する傑作を
第一弾に持ってきたことで、このレーベルの評価は決定したと言って良い．

これは、エリック・クラプトンが隠遁中、そのクスリ漬けの生活を心配した友人の
ピート・タウンゼントが企画したコンサートで、一日に２セット行われた．
何がスゴイと言えば、まず面子が凄い．ピート・タウンゼントの他、ロニー・ウッドが
ギターでサポートし、スティーブ・ウィンウッドも参加しており、ブリティッシュ・ロック
の凄腕がクラプトンの為に集まった．
さらにこのコンサートを特別なものにしているのはその選曲だ．first show, second showの
オープニングは共にLaylaであったが、second showではミスのため、途中から録音されている．
その為second showでは最後に再びLaylaが演奏され、この日にはなんと都合３回のLaylaが
演奏されたことになる．こんなことはクラプトンライブ史上でもこの日だけだ．
他の選曲も、Bell Bottom Blues, Why Does Love Got To Be So Sad, Little Wingなど、
ドミノス時代の名曲を中心にしており、とても嬉しい．
この限定8CDは、サウンドボード4CDと、オーディエンス4CDから構成されており、サウンドボード完全版
というだけでも凄いのに、さらにオーディエンス完全版が付加し、すばらしいアイテムになっている．
オーディエンス録音も高音質で、なんといっても、サウンドボード版では抜け落ちていた、second showの
Laylaが頭から収録されているのが嬉しい．

クラプトンの演奏も素晴らしいが、特に、ロンウッドのスライドギターは絶妙で、特にLittle Wingでのソロには
感動した．

さらに特筆すべきは、この日が、あのブラッキーがデビューした日なのだ．この日から、８５年のライブエイド
まで、来る日も来る日もその素晴らしい音を皆に聞かせてきたのだ．それだけもこのCDを聞く価値が
あるというものだ．

このコンサートについては、beatleg vol.5のFukui氏の記事に詳しく、これを読みながら聞くとまた
一層に楽しめる．僕もこれを読んで新たな発見がたくさんあった．是非読んでみることをお薦めする．

この限定BOXは２００部限定ということもあり、アッという間になくなったそうだ．
今でも、かなりのプレミアがついている．