本HPでは、活動中ながら既に伝説となりつつあるMID VALLEYレーベルのCDを紹介する.

1997年にOrchestra Nightの決定版でデビューし、ファンを驚喜させたレーベルであり、
その後の数々の驚異のリリースによって、クラプトンブートNo1レーベルの座を確保している.

ここのCDの特徴は

・まず音質が凄い.ほとんどがオフィシャル級のステレオ・サウンドボードであり、
オーディエンスでも高音質. 既発盤があったとしても、それを大きく越える高音質である
ことがほとんどなので、安心して(?)買い換えできる.

・音源の貴重度も高い.オールマン参加のドミノスや、関係者オンリーのギグなど、
ファン必聴のタイトルばかりである.

・ジャケのセンスが抜群.見た人は分かると思うが、どのタイトルもジャケや作りが
素晴らしい.ツアーパンフレプリカのおまけがつくこともしばしばあり、ファンは驚喜する.

以上の理由などで、クラプトンファンの注目を一身に集めている超優良レーベルである.
人気は非常に高く、タイトルによっては1ヶ月ほどで完売する.
そしてほとんどのタイトルは再発されないため、完売したCDすべてにプレミアがついている.

今後我々にどのような驚きをもたらしてくれるのか、非常に楽しみである.
 

P.S.

おそらく今日本一MIDVALLEYの入荷があるだろう、浜松の某K店にご協力頂いて、
人気(WANTの数)の程を教えていただいた(2000年2月現在).

壱:SOUL MATES(ダントツの人気)
弐:ON TOUR AGAIN(最近PLAY WITH FIREよりWANT多し)
参:PLAY WITH FIRE REVISITED
四:KIND OF BLUES
五:LES TROIS MOUSQUETAIRES(WANTも多いが、入荷も多い)

だそうである.納得のタイトルばかりです.ガンバって探してみて下さい.
 
 

さて、リリースされたCDの数もかなり増えてきたので、ここで今までの中から、
色々な視点でベスト3を考えていきたいと思う.(対象はNudityまで)

ジャケ編:
音源主義の方は反対されると思うが、ジャケ写真なども、良いモノと明らかに手を抜いたな
というようなモノでは、同じ音源を収録しているなら、良い方がいいに決まっている.
ジャケで内容の粗悪さをごまかすようなものは最悪だが、内容とパッケージが伴った
ブートほど嬉しいモノはないのである.
幸い(?)midvalleyは全部プラケース仕様なので、造りの違いというより、純粋に
ジャケの格好良さで選んでみた.

3位:SOUL MATES
これは表ジャケも良いが、裏ジャケのセッションの写真が良い.ほとんどはオフィシャルの
アルバムからとられているが、そうでないものもある.白黒だと郷愁を感じるねぇ..
ケース裏の、バイクが横転していて、血が地面についている写真も衝撃的で、
デュアンの不在を強く感じる.

2位:ACOUSTIC WALTZ MONO
別にステレオ盤でも良いのだが、あちらは裏と表、どっちがメインか分からない(笑)
Eric Claptonの文字、記事の切り抜きのコラージュ、写真の使い方といい、
作った人のセンスを感じさせる逸品.

1位:SUN VANISHES
このクラプトン格好よすぎ.ジャケの中のSun Vanishesの文字フォントも良い感じだ.
持っているギターは12弦ギターで、ホールの形や、周りの装飾からすると、Zematisだろうか?
さすがの選択だ.ちなみにZematisはドノヴァンやジョージ・ハリスンも用いていた、イギリスの
ギター職人の名である.アコギはホールがハートの形をしていることが多い.
エレキは、銀や貝細工で装飾した、まさに芸術品と呼ぶにふさわしいギターだ.
もちろん音の良さも天下一品である.
ほとんどギターの話になっているが(Zematisと違ったらどうしよう?)、個人的には
ファーを着たクラプトンはイマイチである.
 

音源編:
midvalleyは、貴重な音源も多くリリースしているが、ここでは、これでしか聴けない、
またはこれが初音源だった(ハズ)というものをピックアップした.

3位:KIND OF BLUES
これは完全流出だということだ.こんなにBLUESばかりのライブも、彼の長い音楽活動の
中でも数少ないので、ある意味貴重だろう.
僕たちはかなり聞き飽きていたが(バチアタリめ!)、アコギのレイラも、聴けた人は
貴重な体験でしょう.ほとんどがエレキバージョンなんだから.

2位:SOUL MATES
SOUL MATES 2がLIVE AT TAMPAと同ソースであったのに対し、こちらは初登場ソース.
クラプトンのブートでは、音質がほとんど変わらないのに別ソースだと言って重宝されるのは
このライブくらいのものだろう.1,2とも音が少し遠いので、今度はステージ近くで
取られたものが聞きたい(贅沢だねぇ)
 

1位:KNIGHTS OF THE ROUND TABLE
モントルージャズフェスの本番前日の関係者オンリーのライブということで、素晴らしい!!
DAT録音で、ステージ近くでとられたのだろうか、音質も抜群で、嬉しいものだ.
はっきりいってLEGENDSの決定版でしょう.
あとはサウンドボード完全版だな...
 

個人的思い入れ編:
ここに書くのは、個人的な思い入れの強いライブ、CDについてである.
人とは全然違う理由で気に入っている場合が多いと思うが、笑って許して頂きたい.

3位:LES TROIS MOUSQUETAIRES

僕はELTON JOHNも大好きで(ブートはほとんど持ってないが)、DANIELははっきり言って
WONDERFUL TONIGHT級の名曲だと思っているが、僕が洋楽を聞き始めた頃、
ELTON JOHNのLPはどこを探してもなかった(特に初期の).大阪の田舎に住んでいた僕は、
当時なんと輸入盤店という店の存在を知らず、なんでこんな名曲を書く人のレコードがないねん!
と結構憤りながらLPを探していたものだ.その頃はちょうどCDが登場する直前で、
あまり売れないLPはほとんどが廃盤になっていたのだ.あらゆる(といっても地元のだけど)
レコード屋を周り、ようやく買えたLPはCAPTAIN FANTASTICとHONKEY CATTEUだった.
CAPTAIN FANTASTICなんてビルボード初の初登場1位アルバムやで!なんでこんなに
苦労せなあかんねん!と思っていたものだ.聞くと、捨て曲なしの名曲群に本当に身震いした.
思えば、このアルバムが僕の洋楽好きを決定したのかもしれない.

日本ではあまり人気がない(というか、好きな人はムッチャ好きだけど、数が少ない!)ので、
来日も70年代に来たきりで、全然来ていないとのこと.来ても、満員にできないだろうと
いう理由で、武道館などでやらせてもらえないからと聞いて、本当に悲しかった.
全世界で絶大な人気があるのに、なんで日本でないのか!と思っていたものだ.
その後、京都の学校の近くにTOWER RECORDが出来て、そこでようやく初期のLPを
買い揃えることができた.GODDBYE YELLOW BRICKROADを初めて聞いたときの感動も
忘れられない..それから数年、なんとELTON JOHNが来日するという話を聞いた.
しかし、ERIC CLAPTONのサポートだという.これは正直言って複雑だった.
後でも書くが、その頃僕のクラプトンに対する評価は低く、そのクラプトンのサポート
でしか来日できないのか、というのが悔しかった.一人ではやはりドームは満員に
できないのだろうか?と思った.

しかし、しかし、ここまで書いて怒られると思うが、なんと大阪公演には行かなかったのだった!!
(今では後悔しなくもない).
まあしかし、その頃は洋楽でもプログレ、ニューウェイブなど幅広く聞いていたこともあり、
ELTON JOHN以外にも好きなアーティストがいて、こずかいも全然足りなかったし、
一瞬考えて止めたというのが真相だ.
しかし今でも、ELTON JOHNと聞くと、あの、洋楽聞き始めの、LPを探し回った時のことを
今でも鮮明に思い出す.そしてそれを見つけた時の喜びも....

そんなこんなで、このCDを聴くときはELTON JOHN出演パートばかり聴いているのだった.

2位:ORCHESTRA NIGHT
これが名盤であるのは今更言うまでもないことだが、初めて買ったクラプトンブートが
これとACOUSTIC WALTZであり、これが僕をクラプトンブート界に引きずり込んだのである.
これは本当に幸せなことだったと思う.人のブートに対する印象なんて、初めて買うCDに
影響されることが多いと思うが、僕の場合、この2枚だったせいで、クラプトンブートの素晴らしさを
知ることができた.
(ちなみにビートルズはDISC DU MONDEのSESSIONS.これも幸せな出会いだったと思う)

一旦素晴らしさを知ると、その後カスブートに出会っても、「そんなこともあるさ」と片づける
ことができる.これが初めての体験がひどいブートだった場合、次に買うときはかなり慎重になるか、
もう買わなくなってしまうのがオチだろう.その後名作に出会えて印象を変えられた人は良かった
と思う.

そしてこのCD、小さいときはクラシックを聴いてたこともあり、オーケストラとギターの絡み合いには
本当に感動した.初めはLAYLAなどに注目していたが、今ではこのCDではBELL BOTTOM BLUESが
一番好きだ.僕はこれはオフィシャルで出すことを強く希望したい.24NIGHTSの一部ではなく.
ブートといったら、せいぜい2000枚、3000枚がいいところだが、この名演は数多くの人が
聴くべきものだと思うからである.MID VALLEYでも、次に売り切れても、是非再プレスして、
いつも買える状態にしておいて欲しいものである(無理かなぁ)

1位:ACOUSTIC WALTZ

先程、80年代中程ではクラプトンへの評価は低かったと書いたが、それは、おそらく、
初めてリアルタイムで聴いたアルバムがオーガストだったからだろう.
僕が洋楽を聞き始めた84、5年は今から考えても、黄金時代といえるような、珠玉の名曲が
わんさかあった.A-HAのTAKE ON ME, WHAMのFREEDOM, DIRE STRAITSのMONEY FOR NOHING,
FEARGAL SHARKEYのA GOOD HEART(渋!), DAVID BOWIEもMICK JAGGERと組んで新曲を出したり、
ホンマに一つのピークを迎えていたと思う.

そんななか、ギターの神様と言われる人がニューアルバムを出した.ラジオから流れてきたのは
(多分)TEARING US APART.これがリアルタイム・クラプトン経験である.
先程述べたような名曲達に日夜感動していた身には、これにはどうしても感動できなかった.
想像してもらえれば同情していただけると思うが、これは名曲だとは思えなかった.
プロデュースはフィルコリンズだという.「自分のアルバムの方がずっといいやん.手抜きしてるんと
ちゃうか」と思ったものだ.

その後、様々な洋楽に手を出していく中で、70年代の名作アルバム、レイラももちろん聴いて、
レイラはもちろん名曲だと思ったが、クラプトンは完全に終わったアーティストだと思っていた.
その頃はポールマッカートニーもかなり終わっていたが、彼の新曲NO MORE LONELY NIGHTは
まあまあいいやん、と思っていたし、SPIES LIKE USはチャート上昇中で、応援していて、
クラプトンよりはマシだった.いやぁ、初印象はこわいですねぇ...

その、クラプトンに対する印象が変わるのは、90年以降のことだ.(話長いな〜〜〜お前)
まず第一弾は、あるコンピレーションに入っていたWONDERFUL TONIGHTだ.
これはオリジナルではなく、24Nightsのテイクだ.これが良かった.
僕は元々バラードが好きで、しかもなんというか、ニールヤングとか、イーグルスなどの、
ロックミュージシャンのバラードがとても好きだ.この辺は巧く言えないのだが、ゆっくりで
あればあるほど良い曲というのがあるでしょう.メロディーがホントに良いと、テンポがゆっくりな
方がそれをもっと味わえるのです.イーグルスで言うとLAST RESORTだね.

と話がそれていきそうなので元に戻すと、このWONDERFUL TONIGHTは良かった!
メロディーをじっくり、じっくり奏でるギター、そうかこれが神様のギターかぁ、と納得したものだ.
その後オリジナルを聴いてみると、ライブの方がずっと良い.これでクラプトンを見直した.
スタジオよりライブでの演奏の方が数倍良い、というのは成長している証拠だし、
ミュージシャンとして信頼できる.しかも全然違うアレンジで、というのが尚良い.

そしてそういった追い風のなか、UNPLUGGEDが発売された.ラジオでTEARS IN HEAVENを
聴いたとたん、次の日にはCDを買っていた.TEARS IN HEAVENはもちろん名曲だが、
LONLEY STRANGERも良かったし、何よりも1曲目のSIGNEが格好良かった.
ちなみに僕がこのアルバムの中で初めにコピーしようとしたのがSIGNEである.
(ちょっとうまくいかなくて、先にマスターしたのはTEARS IN HEAVENだった(苦笑))
このアルバムは本当に何回も聴いた.そして、このアルバムを通して、ブルースの素晴らしさ
を教えてもらった.その頃の最新チャートにはイマイチ好きになれるものが少なく、
新しいジャンルを教えてもらってとても良かった(そんなにはハマれなかったが).

オーガストで失望した(そんなに言うか?)クラプトンだが、WONDERFUL TONIGHTで
見直し、UNPLUGGEDで大ファンになった僕にとって、このブートはやはり思い入れ第1位だろう.