Cream68ライブ音源について
ブルー爺さんと、アーカイブさんの、あまりにも濃い、クリーム音源の検証についてです。 書き込みを対談形式にしたので、少々読みにくいところもあるかもしれませんが、どうぞ 最後まで読んでみてください。永久保存版の最高の対談です!(笑)


ブルー爺:
はじめまして。他所のクラプトン系サイトでしばしば書き込んでいるものです。
ブート・コレクターとはとても言えない私のこと、ふだんはROMばかりで、従って購入もしていないのですが、
『MOON BEAMS』(クリーム、68年10月19日、LAフォーラム音源の何度めかのリリース)が話題になっている折り、
この機会に触れておいたほうがいいと思うことがありました。

オーストラリアの信頼すべき、きわめてマニアックなクリーム・サイト『THOSE WERE THE DAYS』
(http://twtd.bluemountains.net.au/cream/default.htm)によると、
<Wheels of Fire=Farewell US Tour>において正式にライヴ録音された
4公演での使用ギターは次のようになります。

68/10/04、オークランド・コロシアム=ギブソン・レス・ポール(タバコ・サンバースト)
68/10/18、LAフォーラム=同上
68/10/19、LAフォーラム=ギブソン・ファイアバード
68/10/20、サンディエゴ・スポーツ・アリーナ=ギブソン・ES-335(チェリーレッド)

管理人のグレイム・パティンゲイル(Graeme Pattingale)氏は、通常10/19音源とされる6曲のうち、
「Crossroads」と「Sunshine」については、ギターのトーンが大幅に変わること、
ベースの響きが伝える会場の空気感が異なることをもって、10/20のサンディエゴが音源ではないかと推定されています。

私の所有音源が行方不明で、自分の耳では未確認なのがナサケナ〜ですが、こういう意見もあるということで、ご参考までに。

また、ジミ・ヘンドリックス(ノエル・レディング、ミッチ・ミッチェルも)がこのショウを観ていたことについては、
エア・アパレントのギタリスト、ミック・コックスが次のように回顧しています
(アイルランドのファンジン『UniVibes』No.37より)。
(サンセット・ストリップのクラブ、ウィスキー・ア・ゴー・ゴーにて)
「・・・帰ってきたとき、彼はすっかりブッとばされていたよ。姿を見せて席に着くなり
「おい、たったいまクラプトンを観てきたんだけど、もう信じられれなかった、心底ブッとばされたよ。
おれはもうプレイできそうもないよ」

その後明け方までそこで他のミュージシャンとジャムったのち、
無免許でコルヴェット・スティングレイを運転、猛スピードでカーブを右折した際、
ハンドルを切り損ね、高価な車は壁に激突、完全にオシャカにしてしまったのでした・・・。


アーカイヴ: 
クリームLA=サンディエゴの件ですが、まずこの「ギターのトーンが大幅に変わること」
の部分を検証しました。たしかに「Sitting top of〜」のトーンと、「Crossroad」のトーンでは特にゲイン
(ひずみ)部分の音色に顕著な違いがあります。前者はファイアーバードを使用とのことですが、
たしかにおっしゃる通りあのギター独特の線の細いゲインを上げると輪郭がはっきりしないので
あまりひずまさずにプレイするクラプトンを聞くことが出来ます。
後者は前者に比べると、ゲインも多く、低音もふくよかに聞こえます。
ただ、このレベルのお話は代表的な「どうにでもなる」話です.
ギブソンギターとマーシャルアンプの組み合わせが奏でるサウンドというのははっきり言って、「どうにでもなる」ものです。

何が言いたいかというとsitting...の時の音色がクラプトンが「ちょっと音量が足りないな」といってヴォリュームを上げれば
「Crossroads」の音色に位はほんの少しのタッチで変化するということです。
またその代表例として『Garden of Electric Delights』(SUPERSONIC)という、
99年ごろに出たブートを取り上げたいと思います。
この日は68年フェアウェルツアーの最後から3日目にあたる日なのですが、
ジャケ写真もこの日のもので、ファイヤーバードを使用しております。
この日の音源はなんだか不思議な音源で全体の感じはホールの中心くらいで録音された
オーディエンスと言う感じなのですが、時として以上にギターが近くなったり、
音像自体が近くなったりと、まるで「関係者が移動しながら録音してる」みたいな音質なのです。
そのCDのなかから最もギターの音がまるでラインの様に聞こえてくる「Crossroads」を聞いていただきたいのですが、
これは全くファイアーバードとは言いがたい音圧を持っていまして、
写真を見ないとこの日のギターはSGか335だなと思うような音圧です。
(例外としてレスポールだけはマーシャルと組合すとあまりにも低音が出すぎてしまうので
音の良い音源なら分かるときがあります。)
そんなわけで長くなりましたが、ギターの音色から導き出すのはちょっと判別しかねるといった具合になりました。
それにギターをチェンジしたっていう答えだって有り得ない話じゃあないしね。全然。

尚、補足しますが、「ヴォリューム上げたらゲインは下がるんちゃうんか?上げるならゲインやろ?」
といいそうな方が出てきそうなのですが、
この頃のマーシャルにはマスターヴォリュームはついてません。
ヴォリュームを上げるしかゲインを稼ぐ方法はなかったのであしからず。

第2にベースの響きが伝える会場の空気感が異なることといったとこですが、
これに関して聞き比べても違和感はまったくといって良いほど感じませんでした。

あ、ところで『Garden Of Electric Delights』というブート、
なかなかの名演ですので是非聞いていただきたいです。
ただしボーナスの19日LAと記載のあるNSUはボックスのライヴディスク1曲目と同じ演奏で謝りですので御注意を。

ブルー爺:
LAかサンディエゴか、それがモンダイだ(笑)
アーカイヴさんスルドい! まことにスルドいと唸らざるを得ません。
実はこのときのMSGのステージは、当時のアメリカのアリーナ・クラスの会場にしばしば見られる、
回転式のそれだったのです。彼らはフロアー中央でゆっくりと回転するステージ上で演奏したのです。
お客はミュージシャンが見えてくると歓声を挙げ、見えなくなるとブーたれ・・・というのを演奏中何度も繰り返したわけです(笑)。
余談になりますが、ZEPのアメリカ初公演であったデンヴァー、オーディトリアム・アリーナ(68/12/26)も、
この方式を採用していました。サウンド的に問題がある、見えないときのフラストレーションが大きい等々の理由で、
70年代に入る頃には、この回転式ステージは姿を消しました。


アーカイブ:
そうやったんや!!あれ周ってるんすかっ(笑)!!
いや〜、あっという間に謎が解けてかなり爽快です。そうなってくるとこれやっぱりオーディエンスですよね?
あ〜よかった。

それにしても、その周ってる映像、8mmでも良いので残ってないんでしょうか?
客がぶーたれたり大騒ぎしてるとこ異常にみてみたいです。
あとギターの音色はたしかに変わってます。


ブルー爺:
ハハハ・・・「お客はミュージシャンが見えてくると歓声を挙げ、見えなくなるとブーたれ」
云々は、私の作家的、もとい、カキコ人的(笑)想像力の産物です。

<ステージ正面側客席>
"Yeahhhhhh...!""Hey、 Eric!"
<ステージ裏面側客席>
"Oh、no...""Shit!"
 ・・・てな様子だったんではないかと(笑)。

アーカイブ:
サンディエゴの件は、「う〜ん僕にはどっちが正解だと言いがたいなぁ〜」と思って
手元に会った1冊の本をめくっていると意外にその答えは簡単に書いてありました。
その本というのはChris Welchという人が書いた『CREAM』という洋書なのですが、
その巻末に「DIARY」という年表のようなコーナーがあるのですが、その中に要約するとこう記してあります。

「10月19日は「White Room」がブートレッグで「Sitting of…」と「I'm So Glad」は
『グッドバイ・クリーム』で陽の目を見ている。
他に「Crossroad」、「Sunshine」、「Traintime」、「Toad」、「Spoonful」が
演奏されているが、その(マスターと想われる)テープは失ってしまった。
よく20日のサンディエゴは5曲がブートレグで陽の目を見ている。
その5曲とは、「Sunshine」、「Crossroad」、「Traintime」、「Toad」、「Spoonful」である。」

と書かれてあるのです。ただこの本の著者がこう書いた理由が
オーストラリアのクリームサイトの主催者と懇意にしていて、聞いてこう書いたのかもしれませんし、
他の稿で何点か納得のいかない記述も出てきますので絶対とは言いきれないのですが、
この年表を見ているとこの人は現存してるクリームのライヴのマスターテープのボックスなどを見て
年表を作成している可能性が高く、おそらく真実なのでしょう。

と言う訳で、ぼくもサンディエゴなんだろうという結論に達しました。
どう思われますか?

ブルー爺:
さーて(笑)?
結論に飛びつくのはまだ早い(なんじゃそれは)。
Chris Welchとがオーストラリアのクリームサイトの主催者と懇意にしているかどうかについては、
事実そのとおりです。巻末の謝辞(Special thanks)の筆頭に、Graeme Pattingale氏の名前が挙がっています。


アーカイブ:
でもオーストラリアのサイトの代表と、この本の著者がつるんでいるのなら
このお話は一気に信憑性の低いものになりませんかね?
あのクリームのサイト、いろんな方から写真やエピソードなどを提供してもらって、
かなり愛情の伺えるサイトでした。つるんでるといった言い回しは失礼でした。
ただ、彼等の研究結果という事なら本の著者はライヴテープのマスターを見てはいないという事でしょうか?
あのテープ・ロストの意味がよく分かりません。
あの曲がLAだというのはきっと、ブートのもとのマスターになったテープに記載ミスではないでしょうか。
そう考えた方がしっくり来ますが、何も物的証拠がないのでなんともいえんのですが…

ブルー爺:
いやいや、あのサイトの執筆陣の対象への迫り方はハンパではありません。
一般に流布している通説に頼ることなく、徹底した証拠主義・実証主義で数々の新事実を明らかにする手並みには、
もう脱帽あるのみです。

話は期せずして確信、いや、核心(笑)に迫ってきましたな。
マーク・ロバーティ著『エリック・クラプトン・レコーディング・セッション』をお持ちの方は多いと思います。
私の手元にあるのは英国版原書ですが、巻頭の謝辞で、著者はビル・レヴィンソン
(米ポリグラム・レコードの役付きプロデューサー。
『クロスローズ』『同2』『レイラ・セッションズ』『ゾーズ・ワー・ザ・デイズ』等のボックスセット、
『ブラインド・フェイス・デラックス・エディション』を含む、EC関連バックカタログの
一連のリマスターものの責任監修に携わっている)
の許可の下、ニュージャージー州にあるポリグラムのテープ庫にアクセスして、録音された素材を聴き、
テープ収納箱のコピーをとることができたと述べています。
あの本に記録された膨大な数のセッションは、こうした作業抜きにはなし得なかったであろうことは想像に難くありません。

ここでひとつ注意すべきは、ポリグラムの倉庫に保管されているECのマテリアルはRSO時代(73〜82年)のものである
という記述です。
では、それ以前の時代のもの、ここではクリーム時代に話を絞りますが、
それらを録音したテープはどこに保管されているのでしょうか。
ご存じの方もいるかと思いますが、クリームのスタジオ盤のうち、故国イギリスで録音されたのは
1st『フレッシュ・クリーム』、それに4th『グッバイ』収録の3曲のみです。
2nd『ディズレイリ・ギアーズ』、3rd『ホイールズ・ファイア(スタジオ盤)』はアメリカ、ニューヨークの
アトランティック・スタジオで録音されました。ライヴ盤に関しては、そのすべてがアメリカ録音です。

それらアメリカでのレコーディング、ミックスダウンされる前のマルチトラック
(楽器パートごとに分かれたマスターテープ)はすべて、ニュージャージー州ロング・ブランチにある
アトランティックのテープ庫に保管されていました。自営業の木造デパート4階部分を賃貸してもらい、
倉庫として使用していた(なんかサエん話)のですが、そこにはクリームのみならず、
最良のアメリカ黒人音楽を長年にわたりプロモートしてきたことで知られる、
このレーベルに所属する幾多の著明なアーティストたちの音源が眠っていました。
レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ジョン・コルトレーン、NJQ、ジョー・ターナー等々・・・。
それらの貴重なテープ(1969年以前の録音がすべてそこにしまわれていた、と言われています)は、
1976年、デパートを全焼させた火事によって、ことごとく失われてしまいました(・・・)。

「テープロスト」の意味はもうお分かりいただけたでしょうか(笑)。
クリームのアメリカ録音音源は、マルチトラックは焼失してしまい、ミックスダウンされた最終的なマスターテープ
(私たちが現在オフィシャル盤で聴けるもの)しか現存していません。
従って、当初『レイラ・セッションズ』の1枚としてリリースされた『レイラ(20周年記念リミックス盤)』のような、
マルチトラックの段階からのリミックスはもはや不可能なのです。
できるのはミックスダウン済みのマスターテープをリマスターするぐらいです。

マーク・ロバーティ(そして彼の著書を参考にしたことが明らかなクリス・ウェルチ)が、
本に記載されたクリームの未発表ライヴ音源を実際に耳にしたとは考えられません。
彼はアトランティック・スタジオが現場でそのつど記録していたテープ・ログを参照したのだと思います。

では、ブートで聴ける68年10月のオークランド、LA、サンディエゴや、
ECの「After Midnight」再録版(88年リリース)CDシングルに追加収録された
「Sunshine」(68/03/07、フィルモア。『クリーム・オブ・エリック・クラプトン』日本盤CDにも収録)、
『ゾーズ・ワー・ザ・デイズ』ボックスセットで聴ける「NSU」(68/03/09、ウィンターランド)
はどうなんだ、という声が挙がりそうですね。

これについては、音質上等とは言えないラフ・ミックス(過去のアルバム製作時に作られたもの)が偶然、
焼失した倉庫とは別の場所に残されていたという話が伝えられています。
手を加えてオフィシャル・リリースに使えそうなものは上記「 サンシャイン」「NSU」ぐらいで(少なくとも今のところは)、
残りは現在の音源所有者であるポリグラムに返還されたが、
その際に流出したテープがブートの源になったのであろうと言われています。

そのような事情で、クリームの未発表ライヴ音源がまとまったかたちでこの先正式にリリースされることは
残念ながらありえないだろう、というのが事情通の見方です。


アーカイヴ: 
濃いい!!
う〜ん。濃すぎる話というか、…視力が通販のセミナーで0.2から1.5に上がったくらい今すっきりと見渡せました。
残されたテープの話も、ぼくもそんなとこだろうと思います。
確実に言えるのはラフ・ミックス、またはオフィシャルようにミックスされた後のオープンリール(not マルチ)が
残されていたのでしょう。じゃないとTOADがつじつまが合わんですもんね。

ブルー爺 :
私はパソコンの前に数時間座りっぱなしで、視力が1.5から0.2に急降下した感じ(笑)。
ショボショボ・・・。

そうだ!『ゾーズ・ワー・ザ・デイズ』収録の「いやな奴」のことを忘れていた。
あれは68/03/07、フィルモアと、翌8日、ウィンターランドの合体ヴァージョンでしたよね。
マルチトラックが残っていないとすると、ラフ・ミックスどうしをエイヤッ、と継いだのでしょうか。
実はボックス・セット買っとらんので(笑)、どこに継ぎ目があるか知らんのですが、
イントロ+ドラム・ソロ+アウトロという構成上、マルチから起せなくても、なんとかサマになったのかな?

今回、自分の考えも整理されたようです。ついでに自分のカキコに対するギモンまで出てきました(笑)。
補遺も兼ねて、その辺を少々。

「マーク・ロバーティ(そして彼の著書を参考にしたことが明らかなクリス・ウェルチ)が、
本に記載されたクリームの未発表ライヴ音源を実際に耳にしたとは考えられません」

いや、考えられるのではないかと(笑)。確かにマルチトラックは火事で焼失したかもしれないが、
オフィシャルに用いられたマスター・テープと共に、リリースには選ばれなかった公演のラフ・ミックス
(ブートの音源になったそれ)もポリグラムの保管庫に移されていたのではないか。
なぜなら、73年にECがRSOに移籍した際、アトランティック時代のアルバム(クリーム〜ドミノズ)をリリースする
権利も同社に移行し、"赤ベコ"(笑)マーク付きで出しなおされたからです。
ミックス完了したマスターテープやラフ・ミックスはポリグラムの倉庫に移されたが、
それらの元になった多量のマルチトラックは、なんらかの理由(運搬作業の煩わしさ、置き場所のスペースの問題など)で、
とりあえず元の場所、アトランティックの倉庫に残されたまま、やがて灰になる定めだった、と・・・。

 ただし、マニアが発表を切望するそれらのラフ・ミックス音源が、演奏の出来・音質・保存状態から見て、
レコード会社をして一般市場向けにリリースしてもよいと判断させるに足るほどの内容かというと、
かなり疑問の残るところと言わざるを得ません。

 コレクターを失望させることになるのは分かりきっているにもかかわらず、
ボックスセットに収められたライヴ音源がほとんど既発表のもので占められていたのも、
それを裏付けていると思います。

「ベストなものはすでに使われたあとなんだ。バンドはどのショウでも必ずノッていたわけではなく、
アトランティックはこれらのテープに当たって、正しい判断を下したと思う。
すでに出されたものよりもよいものは残っていなかったよ。
ベストなものは『グッバイ』『ライヴ・クリームVol.1』『Vol.2』で出ているんだ」
(ビル・レヴィンソンのインタビューより。出典:ファンジン『Where's ERIC!』本国Uk版Issue15)



アーカイブ:
いや〜どんどんすっきりです。非常にためになります。
例のトッドの件ですが調べておきます。
で、本題です。かれ、ウェルチさんはほんとにテープを聞いてダイアリーを作成したのだろうか?

僕の意見は「YES」だとおもいます。理由はまず彼の本に記載されてる68年3月9日のステッピンアウトに見出せます。
彼はこの日のテイクはライヴクリーム2はミスクレジットで、本当は9日のテイクだといいきってます。
この部分が示すのは、彼が両日の音源を聞いたからという事に他ならないのではないでしょうか?
9日のテープを聞いただけではこれが次の日の演奏と断定は出来ず、7日、又は8日のテイクだということも出来ますし、
又逆に10日のテープを聞いて別テイクであることにきずいても、同様のことがいえるのではないか?というトコです。
さらにじゃあブートで出た奴で判断したんじゃないか?といくところですが、
サンディエゴと、LAをブートの日付けが違うと推測する彼がクレジットのみを信じて記載するとも考えにくいです。

きっと彼の中で断定できるものがあったのだと思います。

あとこのリストに載ってるセットリストなんですが、レコーディングされた日のみを基本的に載せていると思うのですが、
とするなら彼はブルー爺さんもおっしゃってたように、リストを見てるとも考えられますが、
僕はカセット・テープのラフミックスのレヴェルでここに記載されてる音源は現存し、
それらを聞いて彼はこのダイアリーを作ったと考える方が自然ではないでしょうカ?
そうすると先述のステッピンアウトの件も納得がいくのですが…

ウェルチ「あれ!レヴィンソン!!この曲って9日のテイクやん!」
レヴィンソン「あ!!しもうた…」
ウェルチ「さりげなく訂正しとくで…ほんま。」

みたいな会話が想像されるのですが…
どうでしょ!


ブルー爺:
逐一説明すると非常に長くなるので、ここでは各種文献やネットを通じて得られた
情報を突き合わせて私なりに出した結論を述べます。

マーク・ロバーティがラフ・ミックスを聴いた可能性は大いにあります。
が、クリス・ウェルチがそれらに接した可能性については、かなり低いと言わねばなりません。

ウェルチの著書『CREAM』は非常にグレードの高いものです。けれども、その内容は次の3つの資料に多くを負っています。

1.マーク・ロバーティ著『エリック・クラプトン・レコーディング・セッション』
2.JOHN PLATT著『DISRAERI GEARS』(Shirmer Books)'98年刊
3.オーストラリアのサイト『THOSE WERE THE DAYS』

乱暴に言えば、あの本はウェルチ自身の力量の産物というよりも、彼が上記3つのソースから、
許可を得た上でそれぞれの最良の部分(まさに"THE CREAM"!)を活用させてもらった成果なのです。

「ステッピン・アウト」演奏日のミスクレジットは、この本が出版される1年も前から
『TWTD』サイトでパティンゲイル氏によって指摘されていました(3/10のライヴ・テープと照合したこと、
更には『ライヴ・クリーム』収録の「スリーピー・タイム・タイム」(9日の録音)終了後と
「ステッピン・アウト」の前の部分が同一であることをもって、その根拠としています)。

また、本の最後に収録されている"CREAM DIARY"も、パティンゲイル氏ほか『TWTD』サイト周辺の関係者から
資料の提供を受けたことが"ACKNOLEDGEMENTS"で触れられています。試
しにサイト内の"THE GIGS"というページを開いてみてください。"DIARY"はそこをベースにしているのです。

大事なことは、誰がそれを聴いたかではなく、ラフ・ミックスが現存している可能性がある、ということのほうなのです。


Toadについては、3/7ヴァージョンでスタートして42秒後、3/8ヴァージョンが1分22秒続き、
その後また3/7ヴァージョンに戻るとのこと。
そういうことを何食わぬ顔で言ってのける空恐ろしいサイトなのです、アレは(笑)。


アーカイヴ:
なるほど、これはうまいです!ロバーティさんの本は持ってるのですが、
もはや押入れの奥なのでこの週末にでも掘り出します。

ラフミックスが現存してるというのは、僕もそのとおりだと思います。その中からあれが流出したと…